大河に一滴を。

大河ドラマの感想を中心に、歴史への思いを綴ります

「青天を衝け」第6回の感想

黄砂が飛んでくる季節になりました。
子どもの頃、中国の砂漠の砂と聞いて、一生懸命自動車の窓ガラスの上とか、葉っぱの上から砂をかき集めようとしたことがあります。
遠い外国の砂漠って考えるだけで、砂粒が宝物のように思えたのです。
そういえば、沖縄の浜辺の砂で星形のものを「星砂」って呼んで、流行してたこともありましたっけ。

胸キュンな春

春だから、やっぱり恋の話?
栄一と千代の二人も盛り上がってきましたね。
何の駆け引きもない純粋な気持ちはまっすぐだから、ちょっとしたことですぐ動揺してしまうのでしょうか。観ているこっちまで動揺してモジモジしてしまいますよ。
お互いの気持ちが早く通じ合うといいね。

災い転じて福となす

一方政治の世界は、キナ臭くなってきました。
あんな頑丈そうな黒船が来ているのに、血気盛んな若者たちは剣術で蹴散らすって言ってますよ。
何だか第一次世界大戦で侵攻してきたドイツ戦車隊に、ポーランドの騎兵隊が向かっていったというのを思い出しました。あとは、太平洋戦争末期の竹槍も。ここに至ってはもう武器が自然素材です。

力の差が歴然としてあり、滑稽にさえ見えてくるようなことでも、その時は何が何でも戦うんだという意思の強さは愛おしくも思えます。

外国からの圧力に屈して開国したとはいえ狭かった視野が広がり、自分たちを苦しめるのは外国人ではなく、それまでの政治体制なのだと気づいた人たちがどんどん増え、江戸時代が終焉するというのが幕末のダイナミックな流れといえるのでしょうか。

ドラマでは先の話ですが、とにかく外国の影響はあったものの、自分たちの国を自分たちの手で変えられたのはよかったですよね。もし、外国から攻撃を受けて幕府が倒れたり、外国の勢力が大きなものとなっていたら、日本国の存在は危うかったかもしれません。
ご先祖様たち、がんばりました。ありがとう!

中間管理職はツラいよ

ドラマの話に戻りましょう。
今回は恋模様(美賀、徳信院に嫉妬して暴れるという場面もあり)はもちろん、難破船の乗組員を救助するエピソードもあり、いろいろ忙しい回でしたが、際立っていたのは、幕府内の人間関係です。

特に安政の改革を行った阿部正弘の佇まいに、目が釘付けになりました。あれ、これってビジネスドラマ? って思ったほどです。
それというのも、幕末の阿部ちゃんはだんだん中間管理職にしか見えなくなってきたのです。坊ちゃん社長の将軍の下で、奇抜な案ばかり出してきて人の話を聞かない斉昭とか、次期社長を慶喜にしようと暗躍する松平春嶽ら、そして通商を迫るアメリカ公使ハリスなど、まさに内憂外患、孤軍奮闘。しかも、Wikipediaによると、いろいろな人の意見を聞いて良いところを取り入れる人であったそうなので、ストレス溜まりそう!

次回も阿部ちゃんに注目です。

こうして見てくると、幕末っていろいろな出来事があり、いろいろな人たちがいるから、どこで切り取るかで全く違うものになってしまいますよね。善悪では区別がつけられないから、栄一の半生がこの複雑な幕末に一つの流れを作って、わかりやすいものにしていってほしいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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千代に〜、八千代に…