大河に一滴を。

大河ドラマの感想を中心に、歴史への思いを綴ります

「青天を衝け」第8回の感想

今回アップが非常に遅れて、反省しております。

今年は何だか季節が進むスピードが速くありませんか?
4月始めにはもう何だかゴールデンウィークの頃の陽気みたいだと思っていたら、その後は季節が逆戻りしたかのような天候。雪とか降ってましたよね。
「三歩進んで、二歩下がる」とは、このこと?

春爛漫、血洗村

今回は血洗村はおめでたくて温かな空気に満ちていました。
しかも千代の花嫁姿は清楚でとても美しい。白無垢だったけど、時代的には合ってると思って良いんですよね。うちのおばあちゃんは、黒留め袖に白い角隠しだったって言ってたし、どうなんでしょうか。

とりあえずネットで調べてみたら、江戸時代後半は白無垢でいいみたい。
でも、絹だから今でも当時でもものすごく高価です。現代のように貸衣装なんてないですからね。もしかしたら栄一の家は藍染め以外に養蚕もしているから、その製品を使ったってことかもしれません。養蚕しているのに、絹以外はそもそも考えられないですよね。代々渋沢家に伝わっている白無垢があるのかも。

また渋沢家に向かった嫁入り行列が渋沢家の前で出迎えられる場面は、自然な作りで、ちょっと不思議な雰囲気でした。ドラマチックではなくドキュメンタリーっぽくて、しかも最近行われた嫁入りを観ているんじゃないかと思ったくらいです。子どものころ隣の家のお姉さんが、白無垢姿で近所の人たちが見守る中お嫁に行ったことを思い出しました。

なぜだか幕末に徳川家康が合う

オープニングの徳川家康の補足はわかりやすくて、幕末はこれからどんどん複雑になっていくので、ありがたいです。
これまでいろいろな幕末を舞台にしたドラマを観てきましたが、薩摩から、長州から、幕府から、会津からなどなど、さまざまな立場がありますから、どの視点で見るかでとらえ方が大きく変わってきます。事実は一つしかないのですが。
視点がたくさんあるから複雑にもなってしまうわけで、今回の大河のように徳川家康が整理してくれると本当にいいですね。今後も活躍に期待します。

で、今回特筆すべきは、井伊直弼を「茶菓ポン」と紹介してくれたこと。
全然知らなかったので、なんか井伊直弼が一気に身近に感じられました。
俳優さんもぬぼーっとした感じで演じていて、ますます「ちゃーかぽんぽんっ」(天才バカボンのメロディーで)って節つけて言いたくなります。ほんとは、茶道や能楽などに造詣が深くて、地元の彦根では尊敬されていたと聞いたことがあるので、賛否両論あるかもしれませんが。
こんなにぬぼーっとしているのに、あの「安政の大獄」を行うんですからね。人は見かけによりません。しかも、今際の際の家定から、慶喜や斉昭などの粛清を託されたからといってもこんなに愚直に約束を守る人も珍しくありませんか? 一途さゆえの狂気みたいなものが出ています。ひゃー、「安政の大獄」は一体どんなことになるのやら。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回アップがとても遅くなった上、主人公の栄一に全然触れてませんでしたが、自分の力で千代を獲得しに行く栄一は立派です。人生のこんなに大切なところで、後悔したくないよね。

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想像上の動物だったっけ?

 

「青天を衝け」第7回の感想

桜、あっという間に散ってしまいました。
春の嵐に吹き飛ばされたわけでもなく、雨が降って、ごく自然に当たり前に終わっていきました。
いつもよりどんどん季節が進んでいます。もう山は、新芽が青々として五月の頃のよう。
そういえば、花粉症もだいぶ治まってきて、いつもなら4月一杯はマスクが必要なのに、もう要らないかなって……思ってはいけません!
新型コロナウイルスの次の波はすぐそこまで来ているんですよ。

死せる東湖、生ける斉昭を走らす

前回、藤田東湖が亡くなり、斉昭の嘆っきぷりはすごかったですね。見ているこっちが恥ずかしいくらい。主人と臣下の関係を超えて、斉昭は心から東湖を信頼していたのでしょう。
これ以後、ますます過激に尊皇攘夷を唱えるように斉昭はなっていきます。東湖の遺志を果たすかのように。

でも、ずっと不思議だったのです。なぜ徳川御三家の一つ、水戸徳川家がこんなに尊皇攘夷、それも尊皇を推し進めようとするのかが。

尊皇の家風?

斉昭の正室、吉子をお正月には上座とし新年をお祝いするという場面や、斉昭が慶喜とともに京の方角に向かって拝礼するという場面も以前ありました。その際、「朝廷に弓を引いてはいけない」と斉昭は慶喜に言い聞かせます。これは、そもそも斉昭が自身の父より伝えられたことで、斉昭の父は養子先の家の選択基準を示しただけだったのですが。なんだかこの「朝廷に弓を引いてはいけない」という言葉は、その後の慶喜を呪縛するものになっていきそうな気がしませんか。

話を元に戻すと、斉昭の正室、吉子は有栖川宮家から降嫁してきました。そして、調べてみると斉昭の母は、公家の出身でした。そして、慶喜正室も公家出身。もっと調べてみないと分からないですが、徳川家ってこんなに皇族や公家と婚姻を結んでいるものなのでしょうか。ちょっと驚きました。

日本史の授業なんかで、幕末の政治運動の一つとして「公武合体」を習いますよね。公武合体の具体策が「皇女和宮の降嫁」。だから、これ以外に皇族や公家から武家への輿入れはほかにはないと思っていました。でも水戸徳川家では、少なくとも二代にわたって皇族や公家と婚姻を結んでいます。和宮以外にはいないと思っていたのは、ただの不勉強と思い込みだったんですよね。

ともかく、水戸徳川家には「尊皇」の土壌があったというわけなのでしょう。京風の文化や思想があり、京から来た人々ともども大切にされ尊敬されていたのだと思います。

山のあなたの空遠く」

そうそう、栄一ですよ。
ついに告白しちゃいましたよ。「お前がほしい」って、どストレートに。
あんな本格的な登山までしないと、わからなかったのかな、自分の気持ちに。
人のことがよくわかる人ほど、自分のことがよくわからないっていうタイプなのかも知れませんね。
それにしても。もうちょっと千代は喜んでもよくない? ずーっと引いた感じだったけど、「嫌われているのかと思ってた」と思うんだったら、その勘違いが間違いだってわかった瞬間はきっとうれしいはずなんだけど。いろいろ心配だった? 喜作にも嫁にしたいと言われていて、複雑だったの? いやいや素直に喜びましょう。もしかして、素直な性格じゃない? 疑り深い? 
こんなに内気な千代が、これからあの天真爛漫な栄一をどうやって支えていくのか、じっくり見ていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
あまり第7回そのものに触れていなかったかもしれませんが、今回は栄一と千代の思いが一つになったことが一番のポイントですから、それ以外まあどうでもいいかも。
あ、ついに井伊直弼が登場しましたね。なんか頼りない人っぽいけど、大丈夫?
どうなる徳川幕府

 

 

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ほんとはね、円月橋っていう橋なんだけどね

 

「青天を衝け」第6回の感想

黄砂が飛んでくる季節になりました。
子どもの頃、中国の砂漠の砂と聞いて、一生懸命自動車の窓ガラスの上とか、葉っぱの上から砂をかき集めようとしたことがあります。
遠い外国の砂漠って考えるだけで、砂粒が宝物のように思えたのです。
そういえば、沖縄の浜辺の砂で星形のものを「星砂」って呼んで、流行してたこともありましたっけ。

胸キュンな春

春だから、やっぱり恋の話?
栄一と千代の二人も盛り上がってきましたね。
何の駆け引きもない純粋な気持ちはまっすぐだから、ちょっとしたことですぐ動揺してしまうのでしょうか。観ているこっちまで動揺してモジモジしてしまいますよ。
お互いの気持ちが早く通じ合うといいね。

災い転じて福となす

一方政治の世界は、キナ臭くなってきました。
あんな頑丈そうな黒船が来ているのに、血気盛んな若者たちは剣術で蹴散らすって言ってますよ。
何だか第一次世界大戦で侵攻してきたドイツ戦車隊に、ポーランドの騎兵隊が向かっていったというのを思い出しました。あとは、太平洋戦争末期の竹槍も。ここに至ってはもう武器が自然素材です。

力の差が歴然としてあり、滑稽にさえ見えてくるようなことでも、その時は何が何でも戦うんだという意思の強さは愛おしくも思えます。

外国からの圧力に屈して開国したとはいえ狭かった視野が広がり、自分たちを苦しめるのは外国人ではなく、それまでの政治体制なのだと気づいた人たちがどんどん増え、江戸時代が終焉するというのが幕末のダイナミックな流れといえるのでしょうか。

ドラマでは先の話ですが、とにかく外国の影響はあったものの、自分たちの国を自分たちの手で変えられたのはよかったですよね。もし、外国から攻撃を受けて幕府が倒れたり、外国の勢力が大きなものとなっていたら、日本国の存在は危うかったかもしれません。
ご先祖様たち、がんばりました。ありがとう!

中間管理職はツラいよ

ドラマの話に戻りましょう。
今回は恋模様(美賀、徳信院に嫉妬して暴れるという場面もあり)はもちろん、難破船の乗組員を救助するエピソードもあり、いろいろ忙しい回でしたが、際立っていたのは、幕府内の人間関係です。

特に安政の改革を行った阿部正弘の佇まいに、目が釘付けになりました。あれ、これってビジネスドラマ? って思ったほどです。
それというのも、幕末の阿部ちゃんはだんだん中間管理職にしか見えなくなってきたのです。坊ちゃん社長の将軍の下で、奇抜な案ばかり出してきて人の話を聞かない斉昭とか、次期社長を慶喜にしようと暗躍する松平春嶽ら、そして通商を迫るアメリカ公使ハリスなど、まさに内憂外患、孤軍奮闘。しかも、Wikipediaによると、いろいろな人の意見を聞いて良いところを取り入れる人であったそうなので、ストレス溜まりそう!

次回も阿部ちゃんに注目です。

こうして見てくると、幕末っていろいろな出来事があり、いろいろな人たちがいるから、どこで切り取るかで全く違うものになってしまいますよね。善悪では区別がつけられないから、栄一の半生がこの複雑な幕末に一つの流れを作って、わかりやすいものにしていってほしいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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千代に〜、八千代に…

 

「青天を衝け」第5回の感想

「暑さ寒さも彼岸まで」とは言うものの、春と冬を行ったり来たり。
野鳥のさえずりが日増しににぎやかになっているのを聞くと、季節は後戻りではなく着実に前に進んでいることを実感できます。

藤田東湖、死す!

前回注目した藤田東湖。とうとう東湖が亡くなってしまいました。
火の始末を心配して家の中に戻ったお母さんをかばって、東湖は梁の下敷きになったはずなのに、ドラマではそのあたり何も触れていません。
息をしていない傷だらけの東湖を抱いて、わあわあ泣きじゃくる斉昭の姿だけでした。
その経緯よりも、死んだという事実の方が世の中には衝撃だったことが分かればいいので、そんな描き方でも構わないと言えます。斉昭以外にも、いろいろな人が嘆き悲しんでいる様子が描かれ、当時はかなりの影響力があった人だったのだとよくわかります。
それにしても斉昭はそこまで東湖を頼りにしていたのかと、あらためて感じさせる場面でした。

うそうそ祈祷師、登場

さて、今回も栄一の実際のエピソードが取り上げられました。
お姉さんの病気は家が祟られているからだと、お祓いにやってきた祈祷師を論破する一件です。
このような迷信深い庶民を狙った詐欺は、現代でもあり得そうな話です。
自伝では渋沢家の使用人を祈祷の依り代にしていましたから、ドラマよりももっと手が込んでいるのではないでしょうか。使用人は雇ったばかりということは、この詐欺の下調べのために前もって送り込まれた可能性があります。事情を調べておいてお金になりそうだから、修験者が来て祈祷を行い、祟りがあると言ってお金を巻き上げるという仕組みだったのでしょう。時代劇でもよくありますよね、押し込み強盗の前に仲間をターゲットの商家に潜り込ませて事情を探らせておくというやつ。ここまで、きちんとドラマで描こうとすると一話分必要になるから、今回は依り代は使用人ではなく、修験者の一員でした。
怪しい目で見ていた栄一から、今から5、60年前の無縁仏が祟っていると言う依り代は、年号を聞かれて23年前の年号を応えてしまいますが、これ当時の人じゃなくてもとっさに言える人少ないかもしれないんじゃ? 私はちなみに西暦2004年の年号を聞かれてもすぐに答えられないです。
結局、修験者は言うに事欠いて祟りを野狐のせいにするものだから、野狐なんかに祠を建ててやる必要はないと、栄一にこの件は喝破されて終了しました。

間違った年号を言ってしまいしっぽを出してしまったわけですが、お姉さんの病気の原因は結婚が破談したことが原因で、嫁入り先は狐憑きの家だからと反対されたのだとか。その真偽の程は分かりませんが、狐憑きって修験者の言った野狐と関係あるのかないのか、このあたりは若干すっきりしません。

悪いおきつねさん?

それにしても何にも説明なかったけど、みんな狐憑きってわかるかなあ。歴史好きとか妖怪好きなら大丈夫か。狐憑きという言葉が実際に存在したのは、昭和の時代までですかね。
子どもの頃は親から聞いたことがありました(年がバレる)。「あそこの家は代々狐憑きだ」って話を。でも子どもだから狐って身の回りにはいないけど民話とか童話とかでおなじみだしかわいいし、なんか狐憑きっていいな、とか思っていました。え、だめなの? ってことがわかったのはだいぶ後ですが。狐自体は神様として崇められてもいるのに、不思議ですよね。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
栄一のお姉さん、元気になってよかったね。
お姉さんと栄一の仲良くじゃれ合う姿は、観ているこちらまで楽しくなるね。

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しっぽって1本でよかったよね

 

 

 

 

 

 

 

「青天を衝け」第4回の感想

3月も半ばを過ぎ、ようやく桜の便りが聞こえはじめました。
気温が下がった後に暖かくなると咲くと聞いたことがあるような気がするので、どんな条件で咲くのか調べてみるとありました。「600度の法則」というのものが!
2月からの気温を足していき600度になる頃が桜の開花時期になり、開花予想に使われている方法なのだとか。

へそ曲がり? 栄一

前置きが長くなりましたが、今回も栄一の自伝に必ず描かれるエピソードが取り上げられました。親父さんの名代として代官のところへ行き、代官の指図を承服しない、というアレです。栄一の人となりを考えるときには、なくてはならない出来事ですからね。
ドラマでは子ども時代から頑固な性格の面をクローズアップしてきました。この後、度々出てくるとは思いますが、まずは栄一らしい頑固の真骨頂を見せる形です。
村のみんなで協力して少しずつ溜めたお金を支配者ということだけで奪っていく。自分も汗水垂らしたお金でもありますから、簡単に「仰せの通りに」なんて言えるわけがないと思っているのです。だから、父に相談してからにすると若輩者の自分の立場を利用もします。
現代だったら、大きな依頼だったら持ち帰って上司に相談します、っていうのは当たり前なんですが、江戸時代ですもんね。上の身分の言うことはすぐ承諾して、口答えなんかもってのほかです。「何のための名代だ」って怒鳴られたってしょうがありません。
でも、私たちは、栄一にすごく同情できます。現代人の感覚なら、大事なお金を有無も言わせず取っていく方が悪いですよ。借金もしてないのに、借金してるのはそっちの方だろってね。
栄一はやっぱりすごい人ですね。大河ドラマになるくらいなんだから、わかりきったことですが、このように現代的な考えをすでに持っていた人です。江戸から、明治、大正、昭和と栄一の生きる時代は変わっても、たぶん全然ぶれなかったのではないでしょうか。
これまで幕末のドラマはなかなか複雑でとっつきにくかったですよね。現代的な感覚を持っていた栄一の物語は共感しやすくて、これからどんな形で栄一の成長を見ることができるのか楽しみです。

藤田東湖の記念碑

そうそう水戸藩のことも取り上げなくてはいけません。
エンディングに放送されるドラマの舞台の観光案内で、ちらと小石川後楽園が取り上げられました。梅の花が見事で、結構好きなお庭です。が、なんで東京のお庭っていうか、大名庭園って言われるところは面積が広いところが多いのでしょうか。もともとお屋敷があったから? 池も大きい、築山も大きい、あの橋を渡りたいのにめっちゃ歩かなきゃ行けない、とかいろいろ思います。コンパクトな京都のお庭の方がゆっくり過ごせます(個人の感想です)。
それはさておき、水戸藩上屋敷があった小石川後楽園は、中国趣味のお庭だそうで、中国風の橋や神仙の住まう島などがあります。カモもたくさんいます。冬の暖かい日は、キジバトが背後で見つめる私に構うことなく、一心不乱に落ち葉を足でかき分けて、虫を探していました。水田がある日本の田園風景や一般的な日本庭園も作ってあり、広大な敷地に好きなものを詰め込みました、という感じ?
その敷地の隅にひっそりと佇む石碑がありました。近づいてみると、藤田東湖の記念碑でした(正式には「藤田東湖護母致命の処」。もとあった場所からこの場所へ移されています)。その時は藤田東湖って聞いたことがあるけど誰だったっけ、くらいの印象。碑文には安政の大地震で母親をかばって梁の下敷きになって亡くなったということが書いてありました。そういえば水戸学の学者だ。
この瞬間、東京で「江戸時代」を初めて感じました。大空襲と都市化により江戸の面影を感じられる場所が身近に少なかったからかも知れません。しかも、亡くなった場所の石碑を立てるというのは、尋常なことではありません。多くの人たちが東湖の死に寄せた嘆きの大きさが偲ばれます。
ドラマでは藤田東湖は私の水戸学の学者のイメージに反して(?)、やさしく実直そうな雰囲気。お母さんのために命を投げ出しそうです。
水戸学は尊皇攘夷の思想を推し進めた学問で急進的だと思っていたのでちょっと意外ですが、儒学がベースだから不思議はないともいえるのでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
このドラマの舞台、幕末から現在まで150年余り。江戸時代は250年ほど続いているから、江戸時代の方が長いくらい。
変化のスピードは江戸時代は鎖国もしていたからゆっくりだったとは思いますが、それと比べると幕末から現在までは本当にものすごいスピードです。
激動の時代の流れにどんな風に栄一が乗っていくのか、しっかり最後まで見届けたいですね。

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なんでお刺身のわさびは梅にのってんの?

 

 

 

 

「青天を衝け」第3回感想

今年も三月、弥生となりました。
梅は今年は早くから咲いていましたのであまり姿を見かけません。
そればかりか、もう山にはぽつぽつと山桜のほのかな白い斑点が出ています。
ウグイスも山のあちこちで鳴き始めました。

今回アップが遅くなってしまいました。
もう第4回の放送も見てしまいました。でも、第3回の感想はきちんとやります。

祝・ビジネスマン栄一デビュー

商売上手な栄一の姿がようやく今回描かれました。
伝記で必ず取り上げられる、藍葉の買い付けの成功のエピソードです。
藍葉の善し悪しを見抜き、アドバイスし、来年の収穫も約束するという、ちょっと出来過ぎ感もありますが、あのキラキラした瞳で商売を進められるとあまり疑いもなく、すんなり受け止めてしまいます。
傑出した人物って、親や周囲の人たちに恵まれているんだなあと自分の境遇と比較して、うらやましくもなります。急進的に改革をしても恨まれずに、みんなの気持ちを盛り上げていく手腕のあざやかさに爽快さを感じずにはいられません。

このドラマでは藍の生産をじっくり丁寧に説明していて、知っているようで知らない藍について少し詳しくなりました。
植物を使って染めるのは知っていたものの、藍玉を作って発酵させる過程はよく分かっていなかったです。
そして染め上がった藍色の布は本当に美しい!
ドラマでは何枚も布地が干してあり、色の淡いものから濃いものまであって、こんなに色のバリエーションがあるのかと、驚きました。
藍色って「ジャパンブルー」ともいうあの色だけなのかと思っていましたから。
村の人たちもいろいろな藍色を身につけていて、その藍色が農村の風景に映えて、より幕末の血洗村が身近に思えます。

藍色はジャパンブルー

話はちょっと脱線します。
藍色が日本の色だと思っていましたが、車の色だとフランスのフレンチブルーが藍色に近かったりします。
昔、自動車の国際レースではボディのカラーで国を区別していて、日本はアイボリーなんだとか。確かに、日本では白の車多いですよね。
ちなみにイギリスはブリティッシュグリーン、イタリアはイタリアンレッド、ドイツはシルバーだそうです。

水戸藩藩校「弘道館」に、斉昭の書に、驚く

今回気になったのは、水戸斉昭が「尊攘」という書を書くというシーンがありました。
藩主クラスがそんな特大の筆で書いたりするんだろうかとは思いつつ、斉昭の思想を一瞬で表現するにはいいのかもしれないとも思いました。
で、番組の最後にいつもあるご当地の紹介では水戸の弘道館が取り上げられ、床の間にまったく同じもの(?)が掛けられていました。まさか、そんな斉昭が書いたわけではないよね、と調べてみるとやっぱり「水戸藩藩医で能書家で知られた松延年の筆です。安政3年(1856年)に斉昭の命で書かれました。」(弘道館HPより)とありました。まぎらわしいよ、まったく。

とはいえ、弘道館の名は何となく聞いたことがありましたが、初めて「もっと知りたい」と思いましたので、これからさらに調べてみようと思います。
幕末の水戸藩って、ガチガチの尊王攘夷派というイメージしかなかったので、こんなに立派な藩校があり、さまざまな学問や武芸を学べたということに驚くばかりです。

それでは、今回もここまで読んでいただきありがとうございました。
弘道館水戸藩についての調査結果をまた書いていきますね。

 

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最近の車って人の顔を真似してる?



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「青天を衝け」第2回の感想

大河ドラマへのつぶやき

大河ドラマを毎週欠かさず見ているのですが、テレビ相手にブツブツ感想を言っているよりも、どこかに書いてほうがいいかなと思ってこのブログを始めました。
2月に第1回が始まるという初めての経験に、ちょっと戸惑ってもいます。
真剣に見始めたのはここ数年のことなので、以前にこんなことがあったのかも知れないですが。

布石を打つ

第2回もスピード感のある展開で面白かったですね。
栄一だけでなく、徳川慶喜の成長も同時に描いていくというのも、ドラマらしくていいですね。
もし栄一の成長だけ追っていたら、武州の農村の様子しかわからない。支配階級のお侍との葛藤があるものの本当に小さな世界です。栄一が慶喜と出会う場面では、観ている方にはさほどインパクトは生まれないでしょう。暴れん坊将軍が馬上から市井の人々に会ったというぐらい?
でも、日本の政治の中枢近くにいて、将軍の座に就くことを期待されている慶喜の日々があることにより、栄一には慶喜との出会いが大事件であったと私たちの理解が深まるのではないでしょうか。歴史上で慶喜がどういう人物だったかを知っていれば、こんな栄一と慶喜を2本立てて描く必要はないのかもしれないですが、知らなくてもこの物語の世界を理解できるように丁寧に描かれているところが好感が持てます。

子ども時代の終わり

しかも二人とも子どもから大人へのチェンジの場面がそれぞれありましたね。
昔、どの作品かはっきり覚えていないのですが、高熱が引いた後、大人に変わっていたということがあったような。
今回は、両方とも被り物!? 栄一は獅子舞、慶喜は能の場面で大人に。凝ってますね。
嫌いじゃないです、こういうの。

考えてみれば幕末って今から160年くらい前で、おばあちゃんのおばあちゃんくらいが生きていた時代って思うと、そんなに遠い気がしない。
そんなに遠くないからこそ、多くの出来事が伝わっていて、それぞれの出来事を点とすると、点と点をつなぐ線は無数にあり、決して一つではありません。点すなわち事実は一つですが、見方や考え方が違えばさまざまなとらえ方をすることができるので、いろいろな歴史が成立するともいえます。
今年の大河ドラマはどんな幕末の姿を見せてくれるのか、楽しみでなりません。

終わりに

先日観た土曜日のテレビ番組で、出演の女優さんたちがロケ地に「虫が多い」って言われてました。農村地帯だから虫が多いのは当たり前だし、ロケならどこでも虫が多いのでは? って思っていたところ第2回を観たら納得が行きました。里の人々が総出で畑の藍葉を刈り取ります。夜には松明を燃やしながら。確かにこの状況でこんなにザクザク刈れば、虫がたくさん出てきてもおかしくはありません。しかも、いっぱい刺されそう。大変だったことでしょう。画面で見ている分には、そんな苦労を感じさせない、働く人たちの躍動感があって、印象に残るシーンでした。

今夜は第3回の放送です。
放送後には、また感想をアップしますね。

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

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【閲覧注意】おかいこさま、ってこんなんだったっけ?