大河に一滴を。

大河ドラマの感想を中心に、歴史への思いを綴ります

「青天を衝け」第7回の感想

桜、あっという間に散ってしまいました。
春の嵐に吹き飛ばされたわけでもなく、雨が降って、ごく自然に当たり前に終わっていきました。
いつもよりどんどん季節が進んでいます。もう山は、新芽が青々として五月の頃のよう。
そういえば、花粉症もだいぶ治まってきて、いつもなら4月一杯はマスクが必要なのに、もう要らないかなって……思ってはいけません!
新型コロナウイルスの次の波はすぐそこまで来ているんですよ。

死せる東湖、生ける斉昭を走らす

前回、藤田東湖が亡くなり、斉昭の嘆っきぷりはすごかったですね。見ているこっちが恥ずかしいくらい。主人と臣下の関係を超えて、斉昭は心から東湖を信頼していたのでしょう。
これ以後、ますます過激に尊皇攘夷を唱えるように斉昭はなっていきます。東湖の遺志を果たすかのように。

でも、ずっと不思議だったのです。なぜ徳川御三家の一つ、水戸徳川家がこんなに尊皇攘夷、それも尊皇を推し進めようとするのかが。

尊皇の家風?

斉昭の正室、吉子をお正月には上座とし新年をお祝いするという場面や、斉昭が慶喜とともに京の方角に向かって拝礼するという場面も以前ありました。その際、「朝廷に弓を引いてはいけない」と斉昭は慶喜に言い聞かせます。これは、そもそも斉昭が自身の父より伝えられたことで、斉昭の父は養子先の家の選択基準を示しただけだったのですが。なんだかこの「朝廷に弓を引いてはいけない」という言葉は、その後の慶喜を呪縛するものになっていきそうな気がしませんか。

話を元に戻すと、斉昭の正室、吉子は有栖川宮家から降嫁してきました。そして、調べてみると斉昭の母は、公家の出身でした。そして、慶喜正室も公家出身。もっと調べてみないと分からないですが、徳川家ってこんなに皇族や公家と婚姻を結んでいるものなのでしょうか。ちょっと驚きました。

日本史の授業なんかで、幕末の政治運動の一つとして「公武合体」を習いますよね。公武合体の具体策が「皇女和宮の降嫁」。だから、これ以外に皇族や公家から武家への輿入れはほかにはないと思っていました。でも水戸徳川家では、少なくとも二代にわたって皇族や公家と婚姻を結んでいます。和宮以外にはいないと思っていたのは、ただの不勉強と思い込みだったんですよね。

ともかく、水戸徳川家には「尊皇」の土壌があったというわけなのでしょう。京風の文化や思想があり、京から来た人々ともども大切にされ尊敬されていたのだと思います。

山のあなたの空遠く」

そうそう、栄一ですよ。
ついに告白しちゃいましたよ。「お前がほしい」って、どストレートに。
あんな本格的な登山までしないと、わからなかったのかな、自分の気持ちに。
人のことがよくわかる人ほど、自分のことがよくわからないっていうタイプなのかも知れませんね。
それにしても。もうちょっと千代は喜んでもよくない? ずーっと引いた感じだったけど、「嫌われているのかと思ってた」と思うんだったら、その勘違いが間違いだってわかった瞬間はきっとうれしいはずなんだけど。いろいろ心配だった? 喜作にも嫁にしたいと言われていて、複雑だったの? いやいや素直に喜びましょう。もしかして、素直な性格じゃない? 疑り深い? 
こんなに内気な千代が、これからあの天真爛漫な栄一をどうやって支えていくのか、じっくり見ていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
あまり第7回そのものに触れていなかったかもしれませんが、今回は栄一と千代の思いが一つになったことが一番のポイントですから、それ以外まあどうでもいいかも。
あ、ついに井伊直弼が登場しましたね。なんか頼りない人っぽいけど、大丈夫?
どうなる徳川幕府

 

 

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ほんとはね、円月橋っていう橋なんだけどね